*資料提供 アトピアクリニック 稲葉先生
銀イオン配合抗菌軟膏の伝染性軟属腫への臨床試用
稲葉葉一 アトピアクリニック(熊本県菊池郡)
実験対象と方法
- 対象:伝染性軟属腫を主訴及び合併する1歳から3歳までの乳幼児(平均年齢2歳5ヶ月、男児46名、女児38名の計84症例、治療開始までの平均罹患期間6ヶ月)
- 合併症:アトピー性皮膚炎が83%、アレルギー性鼻炎が約60%、アレルギー性結膜炎が約50%、その他喘息が20%であった。
- 方法:本軟膏を患児の観察部位の皮疹に1日2回単純塗布させ、治療開始から3ヶ月間での有効率を調べた。
- 本軟膏の組成:軟膏基剤は水性軟膏、銀イオン水
まとめ
- 今回は銀イオンの抗菌作用を利用して軟膏という形で伝染性軟属種に3ヶ月間試用したところ、有効率81%と好結果を得た。
- 銀は発がん性や催奇形性の報告はなく、安全性、抗菌性の点から無機系抗菌材料で最も使われている(例としてゼオライト、シリカゲルなど)安全性の高い金属であり、伝染性軟属腫の治療対象が主に幼小児と言う事もあり、その点で本軟膏は非常に安心して使える外用剤と言える。
- 今後銀イオン軟膏が伝染性軟属腫の治療の主流になる事を期待して報告を終える。